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調べたりしたのでメモ。
宮内庁長官の五輪に対する発言が話題となっている。「天皇陛下が新型コロナウイルス感染拡大につながることに懸念を示されていると『拝察』した」という発言。
東京五輪・パラリンピック開催をめぐり、天皇陛下が新型コロナウイルス感染拡大につながることに懸念を示されていると「拝察」した西村泰彦宮内庁長官の発言が波紋を呼んでいる。宮内庁長官発言、真意どこに 天皇陛下が五輪「懸念」―見解分かれる識者:時事ドットコム
退位するときの「お言葉」もそうだったけど、このあたりって難しいと思う。
政府が「宮内庁長官の個人的な見解」というのを発表した時、コロナ分科会のように「単なる研究成果の発表だ」みたいに軽視するのかと思ってしまった。だけど、そうじゃないんだと考えを変えた。
天皇は政治的発言がNG
天皇は政治的発言がNGとされている。その根拠となっているのが、憲法第4条。
憲法第4条「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。」
先の大戦からの反省で、天皇の発言が政治に影響を与えてはならないとしており、上記が定められている。
オリンピックは政治的なものか問題
となると、オリンピックは政治的なものなのか?っていう問題が出てくる。
というのも、建前として、オリンピックは政治的なものと無関係という立場だから。政治とは関係なく、国を超えて、アスリートが純粋に己の肉体で戦うみたいなものっていう立場をとっている。
また、放映権などの莫大な利権が絡むビジネスとしての側面も大きいので、単なるスポーツの商業イベントという捉え方もできる。
とはいうものの、日本政府、東京都は密接に絡んでいる。菅総理大臣は2週間前ぐらいに開催されたG7で、「オリンピックをやります」って言い切ってるし。これが、ラグビーワールドカップだったらそんなことすら話題に出さないんだろうと思う。
ということで、解釈が難しい
オリンピックは商業的なスポーツイベントだ。そんなイベントなのだけど、政治が絡んでいる。オリンピック開催に関する発言が政治的発言と解釈されて憲法違反になるかもしれない。
なので、「天皇陛下が新型コロナウイルス感染拡大につながることに懸念を示されていると『拝察』した」と言ったし、「宮内庁長官の個人的な見解」としたんだろう。