武田砂鉄の「マチズモを削り取れ」を読んだ。
無意識に刷り込まれている男性優位な社会を分析しながら書いている本。
あるあるな感じもするけど、これまで深く考えてこなかったので、新鮮に読めた。
学生時代の部活に関する考察が面白かった。特に、「八章 甲子園に連れて行って」「九章 体育会という抑圧」が良かった。
ラグビー日本代表がW杯で大躍進し、選手がインタビューで「いろいろなものを犠牲にした」と犠牲っていう言葉を使っているのは、確かに自分も気になっていた。けど、ラグビーをやっていた自分としては、それがあたかも正当化されて美談だと認識してしまっていたんだよな。
また、体育会という便利な言葉を自分も使ってきた。男尊女卑というと、きつい言葉だけど、こういう考えが自分に根付いているんだろう。
ジェンダー論とまではいかないけど、日々のあるあるからジェンダーギャップを気づかせてくれる。
路上、電車、学校、オフィス、トイレなど、日本の公共空間にはびこる〈マチズモ=男性優位主義〉の実態をライターが徹底調査! ジェンダーギャップ指数、先進国でぶっちぎりの最下位――「関係ない」はもうありえない。夜道を歩くことの恐怖、通学・通勤中の痴漢被害、発言権を奪われる不条理……最も身近な日常の場面から、変わらないこの国の「体質」をあぶり出す。