yamadattt's blog

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『人新世の「資本論」』を読んだ

人新世の「資本論」を読んだ。

父から「あげるから、感想教えろ」と言われた。そんなプレッシャー下で読むのは嫌だったけど、ベストセラーだと言われて読んだ。

もう少し早いタイミングで読んでいれば、感銘を受けたかなという印象だった。初版が2020年9月なので、そのタイミングで読んでいれば、印象は違ったと思う。

そんなに声高に環境問題を叫ばなくても、今が危険な状態は知っているから、その書きっぷりがオーバーに感じた。特に最近だと、COP26が開催されて、日本が化石賞を受賞したというのがニュースになっており、興味をもっていたから。

しかし、「脱成長」というのは、面白い主張だと感じた。ただ、この「脱成長」のイメージはわかなかった。端的に示しているのが「同じような生産を伝統に基づいて繰り返している」というところなのだろうか。そうだとしたら、定義が曖昧だと感じた。例えば、伝統っていうけど、それはいつの時代を伝統といっているのか、例えば日本なら昭和なのか、縄文時代の稲作を伝統と言っているのかとか、繰り返したらイノベーションにはならないのではないかと思った。

また、脱成長に向けての行動が7章にあった。それは、以下の5つ。「①使用価値経済への転換」「②労働時間の短縮」「③画一的な分業の廃止」「④生産過程の民主化」「⑤エッセンシャルワークの重視」は今となっては社会的にその方向に向かっているので、これも大上段に構えて今更いわれても当たり前だから古さを感じた。

エネルギーの低炭素と脱炭素は賛成なので、それに到達するための具体的な方法が書いてあれば良いのにと感じた。